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 ロシアがウクライナに対して、狂ったようにミサイルを撃ち込み、発電施設を無力化することでウクライナ国民に対して冬の寒さを控え、震え上がらせようとしている。専門家は「ロシアはウクライナの猛攻で追い詰められてあがいている証拠」と指摘するも、真相は見えていない。

 欧州は長く寒い冬に差し掛かっている。欧州南部のスパインやフランスは異常気象で日中、25度を超える暑さだが、誰もこれが続くとは思っていない。光熱費の高騰は驚くべきもので、政府にいわれなくても節電モードに入り、欧州全体は長い冬の寒さにどう持ち堪えていくか不安が広がっている。

 最大の原因となっているロシア産化石燃料からの脱却は進み、代替入手ルートは確実に確保されているとはいえ、安心できるレベルではない。英経済誌エコノミストは、そのあたりの状況を伝えている。

 同誌は、10 月中旬のスペイン北部の海岸沖に液化天然ガス(LNG)を運ぶタンカーが次々に到着し、再ガス化ターミナルへの接続を待つ姿を伝えている。スペインには同様なLNG用のターミナルを備えた港が7つあり、どこも混雑している。

 市場調査会社 Kpler によると、欧州の港のING扱い量は120 万トンに達し、8 月の 14万トンから驚異的に増加した。それだけ見れば、問題なさそうだし、スペインでは10月末の最高気温が30度に達し、熱に浮かれた楽観論が出ており、欧州のエネルギー危機の終焉さえ、囁かれている。

 ロシアへの制裁、ウクライナ支援に動く欧州を締め上げるため、プーチン露大統領は欧州への主要なパイプラインである Nord Stream を通るガスを大幅に削減し、9 月に導管を無期限に閉鎖した。今、ロシア産ガスの供給を受けるのは別ルートで欧州ではハンガリーだけになった。

 それにもかかわらず、欧州は貯蔵施設を埋めることができた結果、ガス価格は現在、 8 月と比較し3分の1に下落した。さらに世界の石油ベンチマークであるブレント原油は、1 バレルあたり 96 ドルで、3 月のピーク時の 139 ドルを大きく下回っている。
 だが、ロシア以外から供給ルート開拓には中国という競争相手がいる。そのため、価格上昇が予想されている。さらにエコノミスト誌は「プーチン氏の選択肢には、欧州へのすべてのガス供給を停止するか、インフラを破壊することが含まれる。そのような措置、または戦術核兵器の使用は、西側からの制裁の別の波を引き起こすリスクがある」と指摘している。

 さらに専門家による分析では「自己満足は危険である」「事態は非常に速く、非常に悪化する可能性がある」と指摘している。また、化石燃料の価格が再び上昇した場合、欧州の基幹産業に与える影響は、より深刻になると予想している。ポイントは事態は刻一刻と変化し、読めないところにある。