なぜか理由は分かりませんが、リトアニアを含むバルト3国とは縁があって、特にリトアニア人の友人との関係は不思議と続いています。彼らに共通するのは強靭な精神力。
それもソ連邦に支配され、ロシア語を強要されていた時代から、共産党に与しなかったリトアニア人の信念は日本人には足元にも及ばないものを感じています。
パリで同じアパートの建物にいたアレクサンドラは、パリのトロカデロに住む富裕層の家政婦でした。彼女にはパリ郊外の家に家のリフォームのために住み込みで働く夫がいて、オーストリアの大学に通う息子がいました。
家族はバラバラですが、息子を立派に育てることと、老後を母国で過ごすために黙々と働いていました。彼らは旧ソ連に支配されていた時代も、アレクサンドラの話によれば「共産党に入党すればいい仕事はもらえたが入党せず、キリスト教徒としての信念を守り抜いた」というのが自慢話です。
無論、その結果、貧困に苦しみ、結果は国外への出稼ぎの状態になったわけです。冷戦の終結、2004年の中東欧諸国のEU加盟と大きく変化したリトアニアですが、今でもベルリン、パリ、ロンドンなどには中東欧からの出稼ぎ労働者がいます。
EUに加盟した中東欧諸国は、マクロ経済の視点で見ればEU加盟後、経済は改善していますが、都市と地方の格差は大きく、地方の貧困層は出稼ぎを強いられています。
ポーランドがベラルーシが送り込んだ中東移民の流入を防ぐために必死になっているのも、かつてソ連に翻弄された歴史を抱えているからで、西側の大国であるフランス、ドイツ、イタリアには理解不能といえます。ましてや島国の英国はポーランド出稼ぎ労働者に嫌悪していました。
西側欧州からは、自由も民主主義も法の支配も十分理解できていないと蔑まれ、経済的にも2等国扱いされ、東からは今でのロシアの脅威に晒される中東欧諸国は惨めで孤独です。
最近、リトアニア政府が台湾に対して事実上の大使館を開設することを許可したのを受け、中国政府はリトアニアとの外交関係を格下げしました。先月、台湾当局者の代表団がスロバキア、チェコ共和国、リトアニアへの訪問を歓迎したことも中国をいら立たせています。
台湾は現在、15か国からの正式な外交承認を得ておらず、そのほとんどは、アフリカとラテンアメリカの小さくて貧しい国です。同国の台湾事務所は両国が公式の外交関係に入ったことを意味しないとしていますが、中国が主張する「1つの中国の原則」に配慮して「チャイニーズ台北」と呼ぶ世界の慣例を破り、リトアニアは「台湾」事務所として承認したことは決定打でした。
中国政府は、格下げにより外交的関与については臨時代理大使レベルに下げると表明しました。リトアニアのシモニーテ首相は、半導体、レーザー、その他のハイテク産業の主要サプライヤーであり、同じ価値観を共有する台湾との関わりを深めるという自国の計画を擁護しています。
台湾は現在、15か国からの正式な外交承認を得ておらず、そのほとんどは、アフリカとラテンアメリカの小さくて貧しい国です。同国の台湾事務所は両国が公式の外交関係に入ったことを意味しないとしていますが、中国が主張する「1つの中国の原則」に配慮して「チャイニーズ台北」と呼ぶ世界の慣例を破り、リトアニアは「台湾」事務所として承認したことは決定打でした。
中国政府は、格下げにより外交的関与については臨時代理大使レベルに下げると表明しました。リトアニアのシモニーテ首相は、半導体、レーザー、その他のハイテク産業の主要サプライヤーであり、同じ価値観を共有する台湾との関わりを深めるという自国の計画を擁護しています。
同時に「同段階は“一つの中国”政策との対立や不一致を意味するものではない」ことも強調しました。リトアニア国防省は今年9月、消費者に対して中国製スマートフォンが国家の安全保障上問題があるとして購入しないよう警告しました。
国家のサイバーセキュリティセンターのレポートでも、中国メーカーの5Gのスマートフォンをテストした結果、検閲ツールが組み込まれていたと主張しています。
国家のサイバーセキュリティセンターのレポートでも、中国メーカーの5Gのスマートフォンをテストした結果、検閲ツールが組み込まれていたと主張しています。
同センターは中国メーカー、Xiaomiの主力スマートフォン、Mi10T5G にはウェブ検索時に「自由チベット」、「台湾独立」、「民主主義運動」などのキーワードを検出して検閲できるソフトウェアが搭載されていることが判明したと報告書で指摘しています。
EU加盟国でバルト三国の1国で世界で最もデジタル化が進んでいるといわれるエストニアの対外情報機関は今年2月の年次報告書で、世界が覇権主義の中国のテクノロジーへの依存度を高め「ロシアに倣って」中国は偽情報を拡散していると指摘しています。
私は個人的に思うのですが、中国よりは自由と民主主義の価値観を共有できる台湾との関係を強化しようとしている経済的弱小国に対して、アメリカや日本は彼らへの経済支援に本腰を入れるべきではないでしょうか。従来の台湾問題への外交スタンスは中国を刺激せず、軍事オプションを行使させないことなのでしょうが、香港を見て情勢は変わったといえます。
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