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 岸田政権の経済対策の目玉といわれる「デジタル田園都市国家構想」は、車の自動運転やオンライン診療、リモート学習、テレワーク拠点などデジタルイノベーションを地方から社会実装していくとしています。しかし、いくら地方の受け皿を強化しても日本人の働きからのリセットがなければ、箱物行政と同じになりそうな予感がします。

 政府は構想の中でデジタル社会形成の障壁となっている規制や制度を集中的に見直す方針を打ち出し、行政においても、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書のデジタル化をはじめ、マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載の推進、自治体情報システムの標準化に向けた環境整備や行政手続きのオンライン化などを強化するとしています。

 確かに行政のDXを進めることは、さまざまな可能性を生み出す一方、自民党政治が繰り返してきた道路などのインフラ整備で、車がほとんどは知らない田舎の道の整備に多額の税金をつぎ込んできたような無駄に繋がらないかが懸念されます。手段が目的化するリスクは高いといえます。

 地方の活性化というと、地域経済を支える観光産業の支援や、農業の活性化に目が行きがちですが、やはり基本は人が大都市を離れ、地方に移り住む環境整備の方がはるかに重要です。このブログには書きましたが、世界的にはコロナ禍で田舎暮らしを選択する人が急速に増えており、仕事を含めて田舎に移住して暮らせる環境整備こそ最優先課題だと思います。

 つまり、働き方改革と地方活性化はセットで考えるべき問題であり、企業の経営方針の根本的見直しが求められているように思います。最近、英国ではコロナ対策の大幅緩和により、自宅でテレワークをしていた従業員にオフィスに戻るように施しているにも関わらず、戻ってこない社員が多いことに頭を抱えているという現象が起きています。

 企業は、職場復帰する社員に様々なインセンティブを与え、なんとか週3日でも出社してほしいとあの手この手の特典を提供しているようですが、簡単ではなさそうです。フランスでは数百キロ離れた田舎に移住した社員が出社を施され、転職するケースも増えています。

 テレワークは新たな人生の送り方を提供する機会になったわけで、そのメリットは大都市の人口集中の解消により大気汚染が抑制され、人々は田舎暮らしの健康を取り戻し、地産地消が進むことで農産物 の輸送コストや温暖化ガスの抑制に繋がり、高学歴、高収入の人々が地方に移り住むことで、地方の税収は増え、経済も活性化し、子供の教育環境への投資も増やせるなど数え上げればきりがありません 

 その基本は大都市に住んでいた人が同じ仕事を続け、収入を維持しながら田舎暮らしをすることで、生活の質を向上させることができることです。夜の酔っ払いも乗る大都市の満員電車に小学生が乗って塾などに通う異常さもなくなるわけです。

 今の大都市は、自由でクリエイティブなユニークな発想を生む人間を育てる環境とは真逆です。自然の力以上に人を育てる環境はありません。ポイントは地方には職がないという従来の状態をいかに脱するかです。それを政府が本気で後押ししなければ地方の活性化はなく、日本が貧しさを脱する道もないはずと私は思っています。

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