pxfuel.com (1)

 今や組織から女性を排除することは、時代に逆行する罪悪とされる時代。ダイバーシティのさきがけも、閉塞感のある組織に活性化に、あらゆる場面で女性採用が叫ばれてのことです。断っておきますが、客観的な事実として、偉大なリーダーの資質は、性別に依存しないことは欧米のビジネススクールでも指摘されています。

 リーダーシップに関わる個人の強さと性格の特徴は、男女に依存する者ではなく、個人のリーダーシップの属性によるものだからです。ただ、本来、夫は狩りに出て外で戦い、獲物を仕留めて持って帰り、妻は子供を外的から守り育ててきた狩猟民族だけでなく、農耕民族も肉体的に女性より強い男がリーダーに立つ歴史が存在するため、女性より男性のほうに女性リーダーに抵抗感があるのも事実です。

 宗教的にも女性が高位聖職者に就くことが許されなかった宗教は多く、祭祀は男が務めるのが常でした。日本にも女人禁制の山があったりしました。男性の属性としては支配欲が強く、権威やメンツにこだわり、常に優劣を意識し強さを示すことを好み、女性はみんなで協力して結果を出すことを好み、共生や生活の質にこだわり、強さより正しいかどうかをかぎ分けようとします。

 通常、女性がリーダーとして権力を握るとき、女性は組織(特に男性)からのサポートが得られないことが多く、牽引力に欠けると認識されることも少なくありません。では果たして女性リーダーは何をもたらすのか。

 ビジネススクールの客観的な研究では、女性リーダーの先天的に持つ特徴に、マインドフルネス、共感、オープンコミュニケーション、オープンマインド、プレッシャーハンドリング、マルチタスクなどが挙げられ、業務の複雑化が進む中、重視されるチームワークに必要なものばかりです。

 ここで紹介したいのは私がフランスのビジネススクールで調査、研究した東西比較文化、特に国民性から浮かび上がってきた日本人の特性です。国民性を定量化したオランダの学者ホフステッドの男女差の指標で、日本は先進国の中で男性中心社会の数値が最も高く、新興国でも中国やタイ、ベトナムの方が女性の社会進出が進んでいます。

 一方、日本人の性格はをジェンダー分析すると、日本人の男性は世界的に見れば女性的で、通常、男性の特性とされる支配力や自己主張、強さを示す度合いは低く、それは農耕民族の特徴、自然との調和など東洋の精神文化の影響もあると見られています。
<
 今日、多くの企業や業界は、リーダーシップを発揮する女性が重要な利益をもたらすと認識し始めています。日本は女性採用には力を入れていますが、先進国中では最も女性リーダーの比率が低く、ダイバーシティはリーダーにまでは至っていません。

 多様な経験と視点がイノベーションの実現に大きく貢献すると考えられている今、多様性のレベルが高い組織は、通常、多様性の割合が少ない組織よりも成長する傾向があるといわれています。そのため女性の視点がベターな意思決定につながる効果が期待されています。

 特に女性が得意とする細かい事実の把握と分析は、男性だけでは気づけない重要な視点をもたらすといわれています。たとえば家電製品に「女性が使いやすい」という視点が加えられたのは最近のことで、それまでは技術オタクの男性が一方的に考えた製品が主流でした。

 女性はアイディアを出すだけでなく、それをトータルな戦略に位置付け、具体化するリーダーとして女性が適しているというわけです。

 今は日本も終身雇用の慣習が薄れ、一人一人が自分のスキルを磨き、それを評価してくれる組織で働く時代に移行しています。その場合、スキルを引き出し育ててくれる上司が求められます。この分野でも調査では男性より女性の方がきめ細かな指導ができるとされています。

 まだまだ、女性リーダーの持つ資質と効果はありますが、無論、彼女たちを活かすには本人の努力だけでなく、男性の意識変革は不可欠です。最も女性進出が遅れている政治分野で女性が総裁選に立候補する日本は、大きな注目を浴びています。

ブログ内関連記事
ポストコロナを救うリーダー 女性起用は権威主義一掃に役立つが意識改革と時間が必要 
女性蔑視発言で後進性露呈 ワーク・ライフ・バランス、少子化改善の鍵を握る女性たち
史上初のルーヴル美術館女性館長はどんな人?世界最大の美術館のトップの現代的ビジョン
威圧的権威主義より協調性 欧米の最先端のリーダーシップ論は日本に近づいているのか