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 米大統領選は70代の2人の一騎討ちとなりました。年齢はプラスに働きにくい米国で2016年の大統領選で勝利したトランプ大統領は70歳でした。48歳で大統領になったオバマ前大統領からすればかなりの差です。ロシアのプーチン氏が最初に大統領になったのは47歳、英国のブレア氏が首相になったのは44歳でした。

 東西冷戦終結後のグローバル化に邁進した時代の大国を率いたトップリーダーは40代が多く、新しい時代を予見させました。ところが今、アメリカは70代の2人がトップの座をめざして戦っています。バイデン氏が当選した場合、在任中に80歳を超えます。

 日本は以前と変わらず、60代、70代で首相の座を争っています。東洋には儒教の長幼の序の精神や人間崇拝の慣習があるため人望や人脈、経験が重視されるため、40代のトップリーダーを産むことはなかなかありません。日本にはさらに徒弟制度的な慣習も根強く、世代交代も起きにくい現実があります。

 それでも世界の激変に晒され、結果が求められるビジネス界では、50代で大抜擢される社長が日本で生まれ、結果を出しており、政治の世界よりは世代交代は進んでいます。この10年、グローバル化の暴走で世界のあちこちで格差が拡がったことで歪みが生まれ、今は調整期でネクストコロナは政治と経済の関係に新たな状況が生まれつつあります。

 弱者に重心を置きすぎた政権は国の経済をしぼませることは世界各地で実証済みですが、自分たちの存在意義を強めたいために管理をしたがるのが政治家や役人です。結果的に格差是正で弱者に重点を置きがちで、ともすれば管理が行き過ぎた社会主義的な方向に向かう危険性もあります。

 彼らの多くにじわじわと影響を与えているのが、経済成長した社会主義国、中国の成功です。統制経済はうまくいっているように見える側面もあるからです。日本でも役人には社会主義的考えを持つ人は少なくありません。

 ヨーロッパは長年社会民主主義を信じ、結果萎縮した経済を抜け出すために自由市場主義に傾斜していますが、構築してしまった社会保障システムを変えられず、フランスの黄色いベスト運動に象徴されるように弱者軽視を身を持って感じる労働者層が反政府運動を展開しています。

 ネクスコロナで警戒すべきは自由主義の衰退です。同時にデジタル革命で激変する世界を正しい方向に導くことです。19世紀の産業革命はビジネスで成功した富豪ブルジョワジーと貧困にあえぐ労働者階級ができ、結果、共産主義を産みました。人間の生活を根底から変えるような大変革期はチャンスであると同時にリスクでもあるわけです。

 そこでトップリーダーにとって重要なことは、明確なヴィジョンやその実現のための戦略を示すことは当然ですが、同時に「管理」ではなく、「支援」の姿勢を持つことが重要になています。全てのプレーヤーの自律性を尊重しながら、彼らが成果を出すための環境作りの支援者にリーダーは徹することです。

 ネクストコロナは、高齢リーダーは豊富な経験で、若いリーダーは優れた感性で変化に対応できるしなやかさで、どれだけ全体を支援できるかが鍵を握るというのが、最先端のリーダーシップです。下が上を支えるのではなく、上が下を支援する意識転換が必要です。

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