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 世界の有力メディアであるニューヨークタイムズやワシントンポスト、仏ルモンド、米CNN、英BBCだけを見ていると、米国のトランプ大統領は2017年1月の就任以来、評価されたことがない。これだけ主要メディアに嫌われながら、実は世界には今でも根強いトランプファンは存在する。

 英国人の友人ロザリンもその一人。「トランプは、とにかく何を考え、何をしようとしている分かりやすい。指導者は決断できていくらの世界。彼の決断力、行動力には、いつも希望を感じる」という。日本ではあまり報じられませんが、英BBCは世界主要メディアの中ではトランプ批判の急先鋒です。

 同局の北米担当のジョン・ソペル氏は、ひたすら英国にトランプ氏のネガティブ情報を流し続けており、BBCを国際報道の鏡と敬う日本のNHKも、当然ながらトランプ批判の論調になっています。英国は国家の指導者はインテリで教養に満ち、オックスフォードからケンブリッジ大学の卒業生であるべきとの考えが強く、伝統破りのトランプ氏は軽蔑の対象です。

 ところが、そんな伝統的政治指導者にうんざりしている人も少なくなく、若いビジネスマンの間には欧州でもファンは多くいます。トランプ軽蔑派は、米国第1主義で欧州や日本にまで圧力を加えるトランプ氏について「中国と戦うのに米国の同盟国まで敵に回してどうするんだ」と愚かさを批判します。

 ところがトランプ支持者は、たとえばフランスの友人で50年の人生で失業を4回も経験したルイスは「保守だリベラルだと毎回期待したが、経済は上向かずいいことは何もなかった。トランプの米国はコロナさえなければ、経済は絶好調だった」とトランプ氏の成果を高く評価している。

 同時に人権活動家の間でもトランプ氏は希望の星だ。パリには天安門事件で亡命した中国の人権活動家は多い。彼らの間ではトランプ氏は神様扱いだ。パリ在住の陳氏は「香港に中国政府が国家安全維持法を施行して、唯一迅速に反応したのがトランプ氏。あとの国家指導者は中国批判のポーズはとっても、裏では中国とビジネスで手を取り合っている」と指摘しています。

 実は中国国内にもトランプ支持者はいるという。米ウォールストリートジャーナル(WSJ)は、反体制派や学者が集まる北京の民営書店のオーナー、劉蘇里を紹介し「トランプ氏が、米国を建国時の理想に立ち戻らせる役割を果たした」という劉氏のコメントを紹介しています。劉氏は天安門事件で反体制派として戦った1員。

 世界の人権活動家が最も嫌っているのが、実はトランプ氏の前任者のオバマ米前大統領というのもあまり知られていません。アメリカではオバマ、クリントンは人権派として知られていますが、独裁国家などで命懸けで活動する人権活動家にしてみれば「口だけで何も行動は起こさない指導者」とレッテルが貼られています。

 米中対立が悪化の一途を辿っていますが、劉蘇里氏のアメリカ観は非常に興味深いものがあります。多くの国が長い歴史の中で自然発生的に国の形ができたのに対して、欧州を脱出したピューリタンがて自由の理念を掲げて人工的に建国したアメリカは理念先行型です。

 だから、神を否定する共産主義という理念を掲げたソ連と厳しく対立したわけですが、中国も共産主義国家として建国され、今も自由貿易を隠れ蓑に宗教の自由を認めず、少数民族を弾圧する共産党独裁国家です。そんな中国に対して「関与」を続ければ、自由主義に転換するという能天気なシナリオを描き続けた米国は今、建国精神に立ち返りつつあります。

 英国の友人弁護士ブラウン氏は「世界を正せるのは経済力、軍事力で最強なアメリカしかいない。トランプ氏はその意味で、非常に頼りになる男だ」と指摘しています。それに世界のトランプファンに意外と女性が多いのも興味深いところです。女性は理屈抜きに決断力、行動力のあるリーダーを好む傾向が男性より強いからかもしれません。

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