Dipromacy

 トランプ米大統領が主催国となる今年の先進7ヶ国(G7)首脳会議にロシア、インド、オーストラリアに加え韓国を招待する考えを示しているのに対して、日本政府は韓国の招待に反対する意向を米国側に伝えていたことが明らかになり、準先進主要国に選ばれた感激に酔いしれる韓国が猛反発しています。

 ただでさえ炎上中の日韓関係にさらに油を注ぐG7招待反対で、まるで北朝鮮が韓国に対して態度を一変させ、口汚く罵り、開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を爆破したような勢いに韓国は怒っています。果たして日本は中国や韓国が「面子の国」であることを分かった上で反対表明したのでしょうか。

 日本が反対している理由は、日本が拉致問題やミサイル発射問題で対峙する独裁テロ国家の北朝鮮に対して、韓国の文在寅政権が融和政策をとっていることを挙げています。無論、背後には慰安婦や徴用工問題で日本を攻撃し続ける極端な反日政策に対して、一矢を報いたいとの本音もあるでしょう。

 トランプ氏の国益中心の強気外交に刺激され、安倍政権も韓国に対して強気姿勢で望もうとしているようにも見えますが、大した軍事力も持たず、世界の紛争への関与も75年間もしてこなかった日本が外交上強気に出るには、高度な判断が必要です。

 結論からいえば、韓国をG7招待リストから除くことを要求するには、相当な覚悟が必要なはずです。なぜなら韓国の国是は保守も革新も関係なく日本を抜いて先進国になることです。日本に柔道で勝つために柔道大学を作るほど日本への強い敵対心、競争心は日本人が想像もできないレベルです。

 これには哀れにも朝鮮人が中国に従属した長い歴史から、中国の中華思想に洗脳されてしまっている側面もあると私は見ています。すなわち中国皇帝を中心に円を描くように世界を支配しようという中国の妄想では、日本は朝鮮人よりは蛮族です。その蛮族が満州、朝鮮半島を統治した過去に対して中国人だけでなく、朝鮮人も面子を潰され、許せないと思っているという話です。

 たとえば、ありえない話ですが、中国が韓国より先にG7に加わったとして韓国は文句はいわないでしょう。つまり、中国人と朝鮮人の日本に対する感情には非常に似たものがあるということです。そして両国ともに驚くほどの権威主義で面子を第一に考える人たちです。相手の面子を重視するのは、中国や韓国ビジネスのイロハです。

 彼は互恵関係やWin Winを口にしますが、本音は勝つか負けるか、支配するか支配されるかの意識しかありません。中国人はたとえば交渉事では相手に対して上から交渉し、妥協の2文字はありません。米中貿易戦争で問題となっている技術の盗用問題でも「わが国に工場を作りたければ当然」と上からの姿勢を長年続けてきました。

 では、韓国の面子を潰さず、なおかつG7招待に反対する正しい戦略は何か。それは韓国の抱える難題への協力姿勢を示す手法ではないでしょうか。それは北朝鮮との急速な関係悪化で文在寅政権は過去にない試練に直面していることです。

 その主因はコロナ禍で国連の経済制裁が効果を発揮し、経済的困窮にある北朝鮮のいつもの瀬戸際外交と思われますが、きっかけは韓国がトランプ大統領からG7に招待されたことです。北朝鮮の対米外交の仲介役で役に立っていない文在寅氏がG7の晴れ舞台に立つことは、金正恩氏にとっては許せないことでしょう。そこで知恵が必要です。

 つまり、「日本はあくまで日韓関係を重視しており、朝鮮半島の平和と繁栄は日本にとって最も重視すべき優先事項という観点から、韓国が先進国入りすることは大歓迎だが、今回は結果として北朝鮮の強い反発を買っている事実を踏まえ、南北に深刻な亀裂が入ることが東アジアの安全を脅かしかねないリスクがあるため、北朝鮮をこれ以上刺激しないために招待に反対する」というべきだと思います。

 今の日本政府の招待反対理由は、韓国から見れば「韓国を絶対に先進国入りさせたくない日本が、反日の文在寅に花を持たせるわけにはいかない」という印象を与えてしまい、火に油を注ぐ結果になっています。無論、言い方を変えてもG7にいきたくてしょうがない文在寅氏が納得するとは思えませんが稚拙な敵対外交手法よりはましです。

 外から見れば日本と韓国のいがみ合いにしか見えないという点が非常にまずいアプローチです。外交とは高い見識と大人の対応が必要です。たとえば中国による内政干渉排除に本腰を入れるオーストラリアのモリソン首相は、中国が経済制裁に乗り出しても毅然とした態度を取り続け、国際的評価を上げています。

 カナダのトルドー首相は、カナダで勾留中で米国が身柄引き渡しを求めている中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)幹部と中国で拘束中のカナダ人外交官と実業家の人質交換を要求する中国に対して断固拒否する姿勢を示しました。

 理由は「要請に応じればカナダ人を”無作為に拘束”するだけで、カナダ政府に影響を及ぼすことができる前例を作り、世界中のカナダ人を危険にさらすことになる」というもので、中国の脅迫的手法には乗らないという毅然とした立派な態度です。

 日本が対中、対韓外交に本腰を入れるとすれば、どれだけ多くの諸外国の支持を得られるかが需要です。特に先進国を完全に味方につける必要があります。今の韓国のG7反対理由では、国際的理解を得るのは難しいでしょう。

 トランプ氏がどう反応するかは分かりませんが、日本政府は危険な独裁テロ国家、北朝鮮に融和的な韓国をG7に呼ぶべきでないといえば、理解を得られるとの目論見なのでしょうが、世界は韓国の経済成長を見ているだけで、民主主義の韓国が北朝鮮の支配下にあるわけでもないというのが一般的な見方です。

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