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 コロナ禍に襲われる前からリモートワークは存在していた。今、アメリカを中心に爆発的に利用されている在米中国人の袁征(Eric S.Yuan)氏が開発したZOOMは、2011年に開発に着手し、コロナ流行以前にSkypeなどとともにアメリカでは市民権を得ていました。

 今は、ソーシャルディスタンスの状況なので、個人のPCを繋ぐWeb会議が主流。それも自宅のPCからミーティングに参加することが多く、相手は社内の人間から顧客、さらに国際業務でも多用されています。そして多くの利用者が初めての体験でそれも長期化し、疲れを訴えています。

 興味深いのはリモートワークの研究でテレビ会議中、自分の顔を見る時間が最も長いという報告があることです。対面の会議中に鏡で自分の顔を見ながら話す人はいません。会話している自分を見続けるのは実はストレスです。まずは最初に背景を含めて自分がどう相手に映っているか確認した段階で自分を自分のPCで表示させないようにするのがお薦めです。

 物理的な対面のミーティングでは、相手の背景は同じ部屋なので気になりませんが、Web会議では、相手の背景は全て異なります。CNNの有名キャスターのクオモ氏が新型ウイルスに感染し、自宅待機で自宅の地下室からテレビ出演していますが、後ろの家具や階段などが気になります。

 実は脳が仕事以外の目に入ってくる様々な要素を認知し、処理しようとすると脳は疲労します。それと同じ部屋内のミーティングでは相手の顔を凝視し続けることもありません。発言者以外の姿を観察することもありません。そのため発言者以外のカメラをオフにする取り決めをするのもいいでしょう。

 最悪なのは、場所が離れて相手から手元が見えないために、スマホで関係ない人とのメールのやりとりをしたりして集中力を落としているケースです。日本人は同時進行で複数のことをこなすマルチタスクが得意ですが、欧米人は苦手です。実際にマルチタスクはパフォーマンスを低下させるという研究報告もあります。

 さらに何でもバーチャルでミーティングを行う必要もありません。電話やメールで済ませられる場合は、逆にZOOMなどを使わない工夫も必要でしょう。特に一対一のやりとりなら、共有する資料の表示だけにして互いの顔を見る必要もありませんし、電話だけでも十分やりとりはできます。

 一方、集中力の研究者の調査では、最も集中できない場所がオフィスという衝撃の結果があります。集中力を阻害するのは「同僚」と「PCやスマホ」といわれ、テレワークでは少なくとも同僚を排除するのは容易です。

 一方、多文化のWeb会議では確認作業は必須です。会話の中でも相手の言ったことを言い換えたり、自分の理解を相手に丁寧に確認する作業を互いに心がけなければ、多文化での誤解の発生度は非常に高いものです。

 つまり、「私は〇〇と理解したが、それで大丈夫か」とか「今あなたが言ったことを言い換えると〇〇と言えるか」などの確認は必須です。WEB会議で決まったことを、メールで確認する作業は当然です。

 リモートワークで最も難しいのは人間関係の構築です。相手の仕事へのエンゲージメントを高めるには、相手のために自分が何ができるかをという姿勢を示す必要があります。さらに共感することも重要です。無論、目標の共有や役割の明確化は大前提です。

 多文化では相手の仕事の進め方や仕事の評価で何に重点を置いているのかを十分理解しておく必要もあります。たとえば欧米では相互補完的な日本的チームワークより、一人一人がそれぞれの分野のプロフェッショナルというチーム意識を尊重する方がリモートワークはうまくいきます。

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