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 中国赴任者アンケートで、中国には日本にはない様々な規制があるが、中でも最も顕著なものは何かという問いに対するトップは言論統制でした。北京で日本のNHKニュースを見ていても中国共産党に都合の悪い内容は画面が黒くなったりし、インターネットの検索も制限がかけられています。

 なるべく中国政府批判は国民の耳目に入らないようにしているからですが、本腰を入れて海外メディアが取材を試みると国を追い出されます。新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の改宗収容所の人権弾圧の実態を取材しようとすると、最近では米ウォールストリートジャーナルの記者が記者証を剥奪され、国外追放されました。

 今回の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の最大の原因は、発信源である中国が情報の透明性より、政府の情報操作を先に考える国だったことです。日本以外の欧米首脳はこぞって、中国が当初から新型ウイルスが人から人に感染する正確な情報を世界に流さなかったことを問題視しています。

 一昨日はオーストラリア政府も「アメリカと考えは同じ」と中国情報隠蔽疑惑を支持しました。今や「世紀の大犯罪」の可能性があるとまでいわれています。

 かつてのペスト大流行やスペイン風邪の時代以上に人が激しく移動するグローバル化時代に、ウイルスが国境を超えるのはあっという間です。まるで無差別テロのようで、良心的な人も悪人も関係なく感染拡大し、情け容赦なく人の命を奪っています。頼りになるには発生源や治験から得られた科学的データなどの正確な情報のみです。

 全世界が協力しなければ抑え込むことができないパンデミックですが、その発生源についても正確な科学情報に政府がバイアスを掛けるとすれば、あるいは影響力の最も強い世界保健機関(WHO)に政治的操作が加えられたすれば、犠牲者の数が増えるのは自明の理です。

 戦争は情報戦という認識は、19世紀後半に欧米で定着したといわれ、英国のMI6で知られる秘密情報部創設は1909年に遡るといわれます。東西冷戦は諜報機関の戦いともいわれたほどです。今ではビジネスも情報戦といわれ、情報を制する者が世界を制するといわれています。

 民主主義では言論の自由が保障されているので情報を得るのも自由だし、余程の過激思想でなければ個人や団体が自由に自らの考えを主張し、議論するのも自由です。その根幹を支えるのはジャーナリズムです。政府や組織は都合の悪いことは隠蔽したり、捏造するリスクもあるので、その深層を伝え、国民に審判を委ねるのがメディアの使命です。

 無論、メディア自体が客観性や公平性を失い、特別な政治イデオロギーに偏向していれば、国民の正しい判断の障害になります。最近ではSNS上でのフェイクニュースが問題になり、100年前は共産主義者のプロパガンダが多くの人を動かしました。革命は印刷物からともいわれました。

 しかし、政治的情報操作が人々に幸福をもたらしたことはありません。嘘や作り話は社会を破壊することはあっても正しく機能することはありません。

 「嘘も百回つけば本当になる」とは、政治プロパガンダや広告心理で、よく使われる手法として知られていますが、一説によれば、ナチスドイツの国家情報戦略の天才と言われたヨーゼフ・ゲッペルスが「もし、あなたが非常に大きな嘘を頻繁につき続ければ、人々は最後にはその嘘を信じるだろう」と言ったことに由来するともいわれます。百回という言葉はありません、意味は伝わってきます。

 しかし、彼のその後の言葉はもっと興味深いといえます。「優れたプロパガンダは嘘をつく必要がない。むしろ嘘をつくべきではない。真実を恐れる必要はないのだ。大衆は真実を受け入れることが出来ないというのは誤りで、彼らは受け入れることができる。大事なことは大衆が理解しやすいようにプレゼンテーションしてやることだ」と。

 現代の広告理論やビジネスアプローチにも当てはまる明言のようです。つまるところ国民が最も嫌悪するのは、嘘によって「騙された」と感じることです。しかし、私はそれにさらに付け加えたいのは国民の思考停止です。国民が真実を求め、正しい判断を常に下すためには自分で考えることを封殺するべきではないということです。

 その考える自由を奪わえば、政府による洗脳です。人間は自由意志を持っており、それは最大の権利です。だから、人が考えるのに必要な正確で客観性を持った情報提供は必須です。それは疫病対策でも同じです。情報の透明性さえあれば、世界の専門家が同じレベルで対策を練ることができます。

 世界は今、情報共有が政治問題によってできない問題に直面しています。実は科学者は非常にナイーブです。自然科学は基本的に自然相手で科学で割り切れない人間の複雑な心理を読み解くのは苦手です。世界の根深い政治対立が疫病の蔓延阻止とワクチン開発の足かせになっています。

 ミサイルや原爆を使わなくても、世界の人々はバイオテロがいかにパワフルかを痛感しているはずです。すでに9・11テロの犠牲者の数をはるかに超えています。今回のウイルスの発生源ははっきりしていないし、意図的なのかも証拠はありませんが、未だに情報操作で政権を維持することに懸命は国が世界にあることは全ての人にとって不幸としかいいようがありません。

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