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 世界中で外出禁止などの非常事態宣言が出されるの中、新型コロナウイルスのパンデミックで在庫がなくなるのはトイレットペーパーだけではないようです。アメリカなど数カ国で自宅でのテレワークに欠かせないノートPCが売り切れる現象が起きており、メーカーや販売店は複雑な状況に陥っています。

 PC需要しては、一つはテレワークの新たな状況に対応するため、多くの企業が社員一人一人に作業を安全に行えるPCを支給する例です。もう一つは子供の自宅学習にPCが必要になる例で、こちらはもともと自宅にあるPCやタブレットを活用できます。

 ところが、この数年、スマホの普及でPCを持たない個人や家族は急増。PCよりもスマホだけという家庭は増えており、自宅学習ならテレビとネットを繋ぐかタブレットでも可能です。ただ、PCが必要なケースもあって、この際、家にPCを1台位は置いておきたいという個人や家庭も増えている。

 ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「在宅勤務急増でノートPC売り切れ 米国」というタイトルの記事を掲載、皮肉にも武漢を中心としたウイルス拡大で、多くのPCメーカーが生産を依存する中国でサプライチェーンの寸断が起き、PCの供給ができないという現状を紹介しています。

 「デル・テクノロジーズも供給不足に対処するため代替の供給源を探っており、在宅勤務の増加で注文が増えていると同社に近い人物は述べる」「 レノボ・グループ も、ノートパソコンとヘッドセット、モニターのセットなど、在宅勤務に役立つ機器パッケージの需要が増している」とWSJは指摘。

 一方、「アップルは13日に中華圏を除く世界の直営店を27日まで閉鎖する方針を明らかにした」と供給が追いつかない状況の中、店舗の閉鎖でアップル派も困惑状態。私個人はPCを自分で修理するため、香港に本拠地を置く部品のネット販売会社で2月初めに購入した部品が手元に送られてきたのは1カ月半後でした。

 自宅でのテレワークで、今問題になっているのはセキュリティの問題。個人所有のPCを使う場合、この機を狙ったハッキングなどの犯罪の急増で、大事な会社の情報がテレワークで使用されるPCから盗まれる例が多発し、PCだけでなく、ルーターなども危険に晒されています。

 企業側が支給するPCなら、プロがセッティングしているので安全かというと、その場合でもセキュリティは破られる例が多発しています。とにかく、想定外の状況があまりに早く訪れたため、企業側も万全を期すのが難しい状況というところです。

 この機会に、これまで遅々として進んでいなかったデジタル化への対応を進める企業も出ており、特に遅れているといわれる大企業も仕事の効率化も含め、その分野の予算を増やす傾向も報告されています。コロナ危機が過ぎ去っても、仕事の仕方を根本的に変えようという企業もあります。

 当然、在宅勤務を積極的に導入している企業は、今回のコロナ危機への対応で強みを発揮。日本でも町おこしで地方の町が場所を選ばないIT系企業の誘致を進め、恵まれた子育て環境と大自然を売りに企業誘致に成功している例もあります。広々したオフィスで空気もよく、仕事が続けられているという報告もあります。

 無論、在宅勤務が可能な職種は限られていますが、せっかく普及したネット端末を活用しない手はありません。東日本大震災で孤立した高齢者にタブレットを配り、ネットで日用品購入を可能にした例も。PCはキーボードがあるので高齢者には不向きですが、タップだけで商品を選べるタブレットは操作が簡単で普及しました。

 働き方改革という意味でも旧態依然としたスタイルを捨て、デジタル化を最大限活用するのは時代の流れ。巨大なビルを構えるのが大企業の証という時代は過ぎ去り、最小限のオフィスで利益を最大化する時代に入っているといえそうです。

 そうなればテレワークのメリットである勤務時間に自由度が与えられ、通勤ラッシュは解消し、移動が抑えられることでCO2も削減されることになります。無論、テレワークで指摘される労働時間の長期化、チームワークをどうするか、監視体制など課題はありますが、これは新しいものともいえません。

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