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  フォルシア ウェブサイトより

 日本の車載音響機器メーカー、クラリオンを100%子会社化した記者会見を今月初めに行った仏大手自動車部品メーカー、フォルシアは先月11日、タイヤで欧州最大手の仏ミシュランと燃料電池部門の統合に向けた覚書(MOU)に調印したことを明らかにしていました。水素モビリティーの分野で世界最大企業に浮上するのが狙いということです。 

 二酸化炭素排出量の抑制を含め、小型自動車から大型バス、トラックの電動自動車(EV)化が進む今、燃料電池を制する者が世界を制するとされ、フォルシアも自動車業界のメガトレンドと呼ばれている「CASE(コネクテッド、自動運転、ライドシェア、電動化)」に取り組んでおり、電動化では水素系の技術をメインに位置付けています。

 この3年間、フォルシアは仏ミシュランだけでなく、ドイツのZF、燃料電池技術を持つ仏ステラなどとパートナーシップを締結し、同社によれば、新しいテクノロジーがもたらす自動車業界の大きな変化に対応すべく、幅広い分野でアグレッシブに事業提携を拡大中ということです。

 一方、この分野では、米テスラと並び、経済成長を続ける世界最大の人口を抱える中国が、すでに牽引役になっています。その先頭を走るのが、世界最大の代替エネルギー自動車メーカー、比亜迪(BYD)です。

 BYDといえば、日本市場へのEVバス参入で注目されていますが、「投資の神様」として知られるウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが、2008年9月に2.3億ドルを投資した会社です。

 バフェット氏は2008年に携帯端末の中国電池メーカーだったBYDに2億3200万ドル(約260億円)を投資し、今や中国最大の代替エネルギー車メーカーとなったBYDの株価は昨年末までに500%以上跳ね上がり、バフェット氏の投資は現在の価格でおよそ16億ドルに膨らんだことになります。

 BYDの将来性で大きな懸けに出たパフェット氏の投資時期は、EVメーカーの米テスラが株式を上場する2年も前のことで、10年間でBYDは米国外にバフェット氏が投資した最も価値の高い株式公開企業となったといわれています。株価の乱高下を耐え抜いたBYDとしても、これほどの心強い投資家はいなかったでしょう。

 EV化に突き進む自動車業界では、これまでとは必要とされる分野が異なるために、世界的な企業再編も進んでいます。EV化の最大の課題である高コストとインフラ整備も各メーカーや自治体の努力で解決の方法に向かっている今、新たな巨大ビジネスチャンスが生れているといえます。

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