会員制交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックは先週4日、英政治コンサルタントのデータ分析会社、ケンブリッジ・アナリティカ(CA)がアプリを通じて不正取得したフェイスブックの個人情報が当初の5,000万人ではなく、最大で8,700万人分に上る可能性があることを明らかにしました。
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 フェイスブックのシュレーファー最高技術責任者(CTO)によると、国別では大半がアメリカで7,063万2,350人、全体の81.6%に上るとし、日本は10万人程度と見られています。フェイスブック側が公表した国別リストでは、フィリピン2位(1,175万人)、インドネシア3位(1,096万人)、インド7位(562万人)、ベトナム9位(427万人)とアジアも意外と多い。

 アジアで意外なのは、国民一人当たり世界で最も長時間ネットを利用していることで知られるタイが上位にないことです。いずれにしても人口1億人前後のフィリピンとベトナムが上位に入っているのはどのような理由なのか興味深いところです。流出はフェイスブックの提供するアプリからと言われているので、何か政治的意図があったのかもしれません。

 一方、欧州連合(EU)の欧州委員会は6日、フェイスブック側から得た回答としてEU市民は最大270万人分の情報が漏洩した可能性があると発表。EUで個人情報保護を担うヨウロバー欧州委員は今週、フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)と電話会談し、厳格な個人情報の保護を求める構えです。

 EUは5月25日、個人情報の保護を巡って「一般データ保護規則」(GDPR)を施行する予定で、個人情報のEU域外持ち出しは厳しく管理されるようになります。同規制により、違反すれば、最大で世界全体の年間売上高の4%か2,000万ユーロ(約26億円)の高い方の制裁金が課されるとしています。

 同規則では、個人が企業から自分のデータを取り戻せる権利も新たに導入され、EUとしては、今回のフェイスブックの個人情報不正流出を受け、さらなる規制強化を求める声があがっています。

 一方、最も個人情報が流出したアメリカでは、ファイスブックのザッカーバーグCEO(最高経営責任者)が10日と11日に、議会で企業のデータ使用と保護について証言する予定で、何を喋るのか注目されています。また、一昨年のアメリカ大統領選へのロシアの関与に、漏洩した情報が使用されたのかの調査が開始されると報道されています。

 英CA社は、個人の行動データを人工知能(AI)で分析し、選挙時の投票行動に影響を与える情報発信をSNSを利用して行うビジネスを展開しており、世界各国で行われる選挙が彼らのビジネスチャンスになっています。個人情報の質の高さがサービスの質をあげるため、フェイスブックが利用されたと見られています。

 これは2013年に世界で20億人のヤフーユーザーの情報が流出した時に比べると、更新回数などでフェイスブックから得られる個人情報の質の高さから、今回の8,700人分の情報が、ヤフーを個人情報を遥かに上回っていると言われています。

 しかし、これらのデータは、いくらでも悪用が可能なため、その管理の重大性は今後、さらに認識される必要があります。

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