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 英BBC電子版などが伝えるところによると、ブレグジット交渉の英国・欧州連合(EU)間の第6回交渉が行われた10日、欧州委員会のバルニエ首席交渉官が、英国に対して2週間以内にEU拠出金清算について明確な方針を示すよう求めたことを伝えています。

 ブレグジット交渉の進展で鍵を握るEU拠出金問題は、これまで何度も取り上げられながら、英国側が明確な姿勢を示さないことにEU側は苛立ちを表してきました。バルニエ氏は、今回も交渉の本題ともいうべき貿易交渉に入るには供出金問題をクリアする必要がある事を重ねて強調した形です。

 これに対して、英国のデービスEU離脱相は、会談後の記者会見で、協議は全般的に進展していると述べ、交渉は重要事項に絞り込まれてきたと述べるにとどまっています。重要事項とはEU拠出金問題に加え、英・アイルランドとの国境問題、さらに英国在住のEU市民およびEU在住の英国民の権利保障です。

 当初から取り組んできたEU市民と英国民の権利については、両者ともに進展があったとという認識を共有しているようですが、北アイルランドとアイルランドとの国境問題は、英国側が、欧州委が提案している北アイルランドをEU単一市場および関税同盟内に残留させる案を英国側が拒否しており、妥協点は見出せていません。

 貿易交渉に入る妨げになっているEU拠出金問題、英・アイルランドとの国境問題、EU市民と英国民の権利保障は、未だに難航している状態です。2019年3月29日の交渉期限は、加盟国が離脱を通告した日から2年とEUが定めた規則ですが、「ノーディール」状態で期日を迎える可能性は消えていません。

 注目は、離脱請負人として首相の座についたメイ氏が、2019年まで政権を維持できるのかという話です。今年の総選挙で議席を伸ばした野党・労働党は、交渉に慎重を期することを主張しており、EUの定める期日までの交渉完了は難しいとの見方を示しています。

 さらに与党・保守党の中にもメイ首相を支持する離脱派が現在、下院で審議されているEU離脱法案を修正し、2019年3月29日午後11時に英国がEUを離脱すると明記する方針を支持している一方、英国に不利な交渉に終わる懸念を持つ議員も少なくありません。

 英国・EU両者は、交渉の進展を強調することで、経済の不透明感が増すイメージを払拭したいところですが、特に英国側は交渉の進展度が直接的に海外からの投資に影響を与えるだけに、立場は苦しいと言えます。