China_Taiwan

 台湾は今、標準時変更で議論が沸き立っているようです。同国の国家発展委員会の意見公募サイトに今月16日、台湾の標準時を現行のグリニッジ標準時から8時間進めた時刻(GMT+8)から、日本や韓国と同様に9時間進めた時刻(GMT+9)に変更する発議がされ、多くの支持の声が寄せられたからです。

 同提案に対して19日の時点で意見の総数が、立案に必要となる5000件を突破し、2カ月以内に所管機関から回答が出されることになりました。台湾では公共政策について一般市民から意見を募るウェブサイト「公共政策網路参与平台」があり、そこで発議されたわけです。

 発議者は「台湾ではかつてGMT+9が採用されていた」と指摘し、「中国への従属から象徴的に脱出できる」などと提言したことで、注目を集め、立案に必要な賛同意見の件数が4日間で達成されたわけです。

 現在、台湾と日本には1時間の時差がありますが、台湾は日本の植民地時代末期に日本列島と同じGMT+9の時間帯に編入されました。第2次大戦後に中国の国民党政権の統治開始とともに、中国と同じ今の時間帯になっています。

 時差はビジネスにも大きな影響がありますが、中国と台湾両国を行き来する際、時差があることは心理的影響も大きいと言えます。発議者は中国大陸への従属から象徴的に脱却が可能になることを強調していますが、逆に最も地理的に台湾に近い沖縄との時差がなくなることになります。

 日常生活でも、冬に暗くならない時間帯に勤め先から帰宅でき、夕方以降を長く使えるメリットもあることにも注目が集まっているそうです。

 折しも中国共産党の党大会開催に合わせるかのように実施されたは発議は、多数の賛同者を集めたことで中国を刺激したことは間違いないでしょう。習近平国家主席が、時代に沿った新たな社会主義国家モデルを世界に示す野心を明確にしたことで、思想・信条で相いれない台湾との違いは鮮明になった形です。

 無論、経済関係の重要性は理解しているために、両国関係に亀裂が入ることは避けたいというのが台湾の一般市民の声とも言えますが、同じ漢民族として、十分に風を読んでの今回の提案のようにも見えます。

 経度でみると台湾は、北朝鮮北西部から旧満州東部にあたり、北朝鮮は2015年から日本より30分遅く、中国より30分早いUTC+8:30という微妙なタイムゾーンを採用し、独立性を強調しています。たかがタイムゾーン、されどタイムゾーンの変更は、対中関係に微妙な影響を与えそうです。