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 昨日10日に国慶日である双十節を迎えた台湾では、蔡英文総統が式典で演説し、中国との関係改善を確認しながらも、「一つは中国」に言及しなかったことが注目をされています。トランプ米大統領との電話会談で世界に衝撃を与えた蔡総統の言動に、中国は神経を尖らせている中での演説でした。

 双十節は、辛亥革命で武装蜂起したことを記念する台湾にとっては重要な日であり、清国からの独立、建国記念日にあたります。同時に今年は、台湾と中国の交流再開から30年目となる節目の年で、同総統は「得難い成果と善意の積み重ねをもとにして、両岸(台中)関係の突破を探るべきだ」と語りました。

 中国の主張する「一つの中国」という原則を確認したとされる「92年コンセンサス」については今回言及せず「私たちの善意は変わらないし、過去の対抗路線にも戻らない。ただし、圧力にも屈しない」と語り、台湾の原則を強調、18日に第19回党大会を控えた中国を苛立たせる形となりました。

< 中国の台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の報道官は、この演説を批判し、支持しない考えを示しました。実は、今回の国慶日を祝うため、在外台湾人の一時帰国者がの数が過去最高の5,000人を超える数となりました。中でもアメリカ在住者の帰国者は2,000人に迫り、台湾は過去になく、愛国心を表す在外台湾人が増えています。

 安定した経済力と国際社会から得ている高い評価を背景に、台湾の立場を明確にする姿勢を見せた台湾ですが、中国にとっては習近平政権の求心力を高めるための党大会を控え、頭痛の種になったことは確かと言えます。