trump

 これまで政治とビジネスは同レベルで語れることはなかったわけですが、トランプ米大統領の登場は、新しい時代の幕開けのような印象も持ってます。トランプ氏の右腕であるティラーソン米国務長官も石油メジャー最大手のエクソンモービル前会長 兼最高経営責任者だった人物でビジネスマンです。

 そういえば、ブッシュ政権時代のチェイニー副大統領も、
世界最大の石油掘削機の販売会社ハリバートンのCEOだった人物ですが、ビジネス経験は短く、30代でニクソンやフォード大統領の補佐官として仕えた政治畑の人間でした。財界の人間が政治に関わる事は世界的にも増えていますが、映画俳優のレーガンが大統領なったりするところはアメリカの面白いところですね。
 
 トランプ氏も長いビジネス経験での交渉術を外交や内政の場に活かせると考えているようで、ティラーソン氏もビジネスでタフネゴシエーターで知られた人物です。アメリカのビジネススクールで取り上げられる交渉術にドア・イン・ザ・ファイスというのがありますが、トランプ氏の発言や行動に散見されるような気がします。

 
フェイス・イン・ザ・ドアというのは、初めに相手にとって受け入れがたいハードルの高い条件を出し、断った相手が、多少負債に思った瞬間に、本当に飲んでほしい条件を出して、合意に持ち込むという手法です。トランプ氏はいつも唐突で相手を驚かすような発言が多いのですが、彼流の交渉術なのかもしれません。

 それと日本では報じられませんが、彼の支持者には熱心なキリスト教徒が多く、彼が「神」を口にすることを歓迎しています。ビジネスマンで信仰者という辺りはアメリカ人らしいとも言えますが、信仰者の側面、あるいはキリスト教的価値観の側面からトランプを理解するのも一つのアプローチかと思っています。